キラキラオトイメロイメモリ
No.14
めちゃめちゃめちゃめちゃ嬉しいです❣
2026.3.22
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どうぞお気軽にメッセージください☺︎(特殊文字や機種依存文字は文字化けしてしまうことがあります😭)
種別:男女CP小説
時間軸:AD後くらいのいつか
文字数:2912文字
ワタル×みおん(ショウあい、ヒビりず要素あり)
# ワタみお深夜の真剣絵描き・文字書き60分一本勝負 参加作品
『いちご』『蝶』
「あ~、今度はみおんをモデルにしたデザインコンテストをやったんだっけ」
「そうそう。それで今、あいらたちに選んでもらってるんだ」
スクールの廊下を歩いていたワタルたちCallings。仕事の合間にショウがデザイナーとしてMARsの様子を見に行くのだ。ショウによると、MARsは今デザインコンテストの選考を行っている最中らしい。
「前回のドレスも良いものが多かったから。俺も刺激を貰えるはずだと思って」
「さすがショウ。勉強熱心だね」
手土産を携えたヒビキが言う。「りずむ喜ぶかな」とはにかみながら彼が選んでいたのはメンチカツサンドで、その幸せそうな様子から最近付き合い始めた二人の順調さが伺えた。
いつもMARsの使っている部屋を覗けば、丁度三人がデザイン画を眺めながら意見を交わしていたところだった。
「よっ。順調か?」と部屋に入ってショウが声をかけると、あいらがすぐさま「ショウさん!」と反応する。りずむは「ヒービキー!」と駆け寄り、すぐに二人の世界に入ってしまった。
微動だにしていないみおんの元へワタルは自ら歩み寄っていき「みおん、調子はどう?」と声をかけた。
「普通よ」彼の方を見向きもせず真剣にデザイン画、もとい葉書を選別する。
ふう、と息を吐いた彼は
「みーおーん? 眉間、シワになっちゃってるよ?」
と言ってそこを優しい力でつんつんつついた。
「ちょっとワタル! 何するのよ!」
ようやくこっちを見たものの、彼女の顔には疲労が浮かんだままで。なんとかほぐせないかと思案した彼は、手土産の中から冷たいミネラルウォーターを取り出す。
「ほら! みおん、これでも飲んで」
首に、顔に。ペットボトルを押し当てている彼はいたずらするようであり、距離感を慎重に測っているようでもあった。
「ちょっと、冷たいしくすぐったい、ふふ」
「……よかった、笑った」
くすくす子どもみたいに笑いながらペットボトルを受け取った彼女は、ワタルの意図に気づいて咳ばらいをする。そんな彼女を見て笑みを隠せない彼が何か悩むようなことがあったのか聞こうとしたところで、ショウの声が響いた。
「ま、またお義父さんのデザインが?」
「そうなんです……。今回は私がモデルの葉書じゃないから大丈夫かなって思ったんですけど。結構量も多くて仕分けが大変で……」
なるほど。それでみおんも苦労していたというわけか。納得したワタルが隅に積まれていた葉書の山を覗かせてもらうと、そこには大きな苺とたっぷりのフリルがあしらわれたみおんのデザイン画があった。
「グランプリのコーデは私も着るってパパも知っていたのか、前回より凝ったデザインのものも多くて……仕分けも大変で」
「ま、まぁいいデザインだったら問題ないんじゃない……?」
ヒビキがフォローを入れるものの、「でもお義父さんのデザインは、あいらのことだけを一心に想ったようなデザインばかりだから……MARs三人で着るには難しいところがあるよな」とショウが真面目な顔で返す。
あいらは「そもそも私の好みでもないし……うぅ、パパにきつく言っておきます。ごめんね、りずむちゃん、みおんちゃん」と小さくなりながら零した。
りずむもみおんも、苦労こそしているものの責めるほどのことではないと思っていたので「まあまあ。集めたデザインは返送して春音家の思い出に残してもらおうよ」とあいらを慰める。
やり取りを傍らで聞きつつワタルは葉書を右から左に見入り続けていた。
みおんには確かにあまり似合っているとは言い難いが、なるほど苺とフリルたっぷりのドレスがあいらの父好みで、そしてそれがあいらのことを想ってデザインされているのもわかった。
「確かに……、三人が着るものなのに一人のためを想ってデザインしちゃだめだよね」
ワタルの呟きを聞き逃さなったのはみおんで、「何よ。どうかしたわけ?」と不審そうに尋ねてくる。
「ああいや、なんでもないよ! で、今のところどのデザインが候補には残ってるの?」
「そうね、これとこれとこれと、……まだ全然絞り切れていないのよね」
彼女が指し示す葉書をうんうんと目で追ったが、その1つを見て「わっ!」と思わずといった風に声をあげた。
「どうかした? というかワタル、何か隠してるわけ?」
「ううん、何でも! ……ただ、このデザインは、ちょっと微妙なんじゃないかなーと思って……」
そうワタルが言っているのは、蝶モチーフのワンピースで、随分丁寧に描きこまれているものだった。
「そう? ワタルが他人のデザインにとやかく言うなんて珍しい。それにこのドレス、蝶のアクセントがさりげないながらも華やかで、みおんはとっても良いと思ったけど」
「だ、だからだよ! ほら、なんかこのデザインからもみおんのことだけを想ってま~すって感じがしてこない?」
「えぇ? 確かにみおんにぴったりではあるけれど……」
ワタルとみおんが言い合ってるのを見て、他の四人もなんだなんだと近づいてくる。これは不味い、内心焦ったワタルはどうしたものかぐるぐる頭を抱える。
すると、みおんの説明とデザインを見ていち早く何かに気づいてしまったのはあいらなようで、顔を真っ赤にしてみおんとワタルをちらちら交互に見てくる。そしてワンテンポ後にショウも気づいたのか、ハッハッハと笑い声が聞こえてくる。
「ちょっとショウまで。デザイナーが他人のデザインを笑っていいわけ?」
「いや、ショウは確かにデザイナーだよ……」
「ふふ。みおんちゃん、私もわかっちゃった。……でもみおんちゃん、随分このデザインが気に入ってるんだね」
「そうかしら? いいえ、そんなことよりどういうことか説明しなさいよ!」
くすくす笑うあいらに笑い声を隠しきれていないショウ。雰囲気で察したらしいヒビキに未だ気づかずポカンとしてくれているりずむ。怒るみおんに、誤魔化すように焦るワタル。
もうどうすることもできまい……背水の陣にいるワタルは覚悟を決めた。
「みおんごめんね。でも、怒らないんでほしいんだ、できれば。……葉書の裏を見て」
「はぁ? どういうこ──」
みおんが言われるがままに葉書の裏……宛名欄を見ると、そこには見知った名前──ワタルの名があった。
「ごめん。実はそれ、僕がみおんのことを想って描いて送ったんだ」
ヒビキはそこまでストレートに言うのかと感心して心の中で「ヒュー」と口笛を送る。
「みおんに気に入ってもらえて嬉しいけど、これはみおんのことばっかり考えたデザインだから……」
そこで葉書を持ってふるふる震えるみおんを覗き込むと、何やらぶつぶつ呟いている。
「み、みおん? やっぱり怒ったよね? ごめんね?」
「──がう。……によ、……の、くせに……!」
その瞬間、みおんは立ち上がるとレッスン室を飛び出してしまった。
「みおん──!」
追いかけようとするも、ショウとヒビキに今はそっとしておいてあげた方がいいんじゃないかと言われてしまう。
「みおん、あんなに顔真っ赤にして。満更でもなかったんじゃないかな」
メンチカツサンドをいつの間にか頬張っていたりずむの声が響いた。
後日。
ワタルの自宅に葉書は返送されてきた。
そこには黒のマジックで「お忙しい中みおんのためにご苦労様でした」と書かれていたのだった。
あとがき
ホントは『嫉妬』も入れる予定だったのに時間が足りなかった……!!
30話の笑劇場とか31話とか当時のコンテストとか色々ふわふわふわです恐縮
ヒロくんはごめんねヒロくんのこと嫌いじゃないのよ
展開頼り台詞多めふにゃふにゃ設定ですが3000字書けたのはすごいと思います。★★★★☆