おとめ倶楽部

キラキラオトイメロイメモリ

No.19

断れない理由

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原作:ジュエルペット てぃんくる☆
種別:男女CP小説
時間軸:本編中いつか
文字数:2973文字
レオン×ミリア(ニコ沙羅要素あり)
「サロン・ド・ピクリエ5」展示用作品
「レオン! コーヒーの美味しいカフェを見つけたの。よかったらこの後一緒にどう?」
「いいやレオン、この後サッカーの試合をするからぜひ来てよ」
「私に勉強を教えて、レオン!」
 放課後、帰り支度をしていたところをレオンは級友たちに囲まれた。授業がまだ日の高いうちに終わったから早めに魔法学校へ行けるなと思っていたところだった。
 珍しい光景ではない。生まれも人柄も良く、正に理想的な好青年たるレオンは学校でもみんなから慕われている。クールで大人びていながらも面倒見が良くて、男女問わず人から好かれる存在なのだ。
「ごめん、今日はこれから用事があるんだ」
 そして、レオンが誘いを断ることも珍しくはない。決して付き合いが悪いわけではないが、彼はこうして誰の誘いにも応じないことがある。それは放課後に多い。そうでなくても二人きりのデートのお誘いなんかは叶った試しがないものの。
 級友たちもそれをわかっていたから聞き分けよく諦めてくれた。レオンは机から立ち上がると挨拶をして、教室を後にした。
 校舎を出ればディアンが現れる。一緒に並んで歩いて帰りながら、周りには聞こえない程度の声でその日あったことを語らい合った。昼食はどうしようかとディアンが問うたら、とりあえずジュエルランドに行こうかとレオンは提案した。
 一帯でも特に大きくて広い家に着いた。自室にてレオンがジュエルポッドを操作して、ジュエルランドへ向かう。その間、レオンの住むレアレア界に時間の流れはゆっくりになった。
 魔法学校の教室内に転送されると、ミリアと沙羅が先に来ていた。ミリアがすぐにレオンに気づいて、「レオン! 今日は私の隣の席に座って!」と自分のソファの隣を促した。
 レオンの着席を待ちきれずにミリアは嬉々として話しかける。
「今日はストロベリーカフェにスペシャルブレンドティーが入ってるんですって! 沙羅が教えてくれたの」
 沙羅は今日一日ジュエルランドの専用実験室に籠っていたらしい。そこから魔法学校へ移動する途中に通りがかったストロベリーカフェで看板を見たのだという。スペシャルブレンドはレアメニューだから、常連のミリアでもあまり飲んだことはない。
「あかりたちも誘ってみんなで行こうと思ってるの、レオンも行かない?」
「ああ、いいよ」
「やった~!」
 ミリアは嬉しそうにガーネットとサンゴとはしゃぐ。大好きなレオンと、友人たちとお茶ができるからだ。ディアンはこれは昼食を食べてこなくて正解だったのかもな、と承知した。
 そのうちあかりたちとニコラたちもやってくる。ミリアはみんなを忘れずに誘って、それから他愛もない話をして授業が始まるのを待った。

 ♦♢♦

 授業が終わって、一同はストロベリーカフェを訪れた。中の大人数掛けの席に着いて注文をする。もっとも、レオンにディアンに沙羅までもがスペシャルブレンドティーではなく普通のコーヒーを頼んだのだが。
「みんなで来られてよかったね」
 あかりがそう言うとルビーやミリアが頷いた。
「天才たる僕は忙しいんですけどね」ニコラが話すと「でちゅ~」とチターナも同調する。
「ハイハイ。でもニコラもスペシャルブレンド飲みたかったんでしょう?」
 ミリアが呆れながら言えば、彼は図星だったようで短く跳ねた。
「あはは……。でも、沙羅もレオンもいつもと同じコーヒーでよかったの?」
 五人で集まる時、ミリアの次に口数が多いのはあかりだった。
「俺たちは前ミリアと一緒に飲んだから」
「私も別に」
 沙羅はミリアと正反対、一番無口で短く答える。
「でも沙羅は実験、レオンも泉のドラゴンさんからのお稽古でますます忙しそうだったよね」
「あかり、そんなこと気にしてるの?」
 気遣うあかりと違って、本人たちの意思で来てるんだからいいじゃないとミリアは気にしない様子だった。それは彼女が幼さからくるものでもあり、個性でもある。
「あぁ、なぜってジュエルランドにいる間は時間が無限にあるようなものじゃないですか。忙しかろうとタイミングが合えば関係ありませんよ」
 ニコラは幼いながらも頭がいい。先ほどの自身の発言とは逆のことを言ってしまっているが、時間の進みの本質を理解しているからこそ噛み砕いて説明してくれた。チターナは賞賛してあかりも感心する。
「でも、沙羅はそれだけじゃないでしょう?」サフィーがパートナーの名前を呼ぶ。助け舟を出したのだ。
「別に……」
 彼女本人は顔を赤らめながら顔を逸らすも、「沙羅?」とあかりの声が聞こえるとおずおず向き直った。
「……あかりたちと居るのは、嫌いじゃない」
 恥ずかしそうに呟く沙羅。「沙羅……!」とあかりは顔をほころばせる。サフィーは満足気に笑みを湛えた。
「僕だって! い、忙しいですけど、級友と仲を深める機会は大切ですからね!」
 ニコラも頬を染めながら沙羅の方を見ながら慌てて言った。微妙に素直になりきれないのが彼らしい。沙羅には今一つ伝わっていないけれど。一連の機微を正確に捉えられているのは聡明なディアンくらいかもしれない。
 あまりよくわかっていない筆頭はミリアとラブラだ。だがミリアは自分の隣に座るレオンを見つめて、
「ねぇ、レオンはどうなの?」
と問いかけた。 最初は興味なさげだったが、みんなの話を聞いてそれじゃあレオンはどうなのかと彼女なりに気になったのだろう。
 無垢な瞳を向けられた彼は「そうだな……」と考えこむ。思えば、今日は丁度学校でみんなの誘いを断ってここに来たところだった。それなのに今こうして寄り道をしているのはなぜなのだろう。今だけじゃない、ミリアとはこれまで何度も二人と三匹とでストロベリーカフェに来ている。だからこそきちんと返答したいところだった。
 時間が無限に等しいからではない。でも、今日学校での誘いを断ったのは予定があるからで……ジュエルランドはそれを気にしなくていいからこそなのだろうか。沙羅やニコラのように友人と過ごす時間が好きだからかとも思ったが、それだけではない気もしていた。ミリアの方を見やる。レオンの答えをじっと待つ彼女は顔に疑問符を浮かべた。
(そう、ミリアの誘いを断らない、断れないのは──)
「…………ミリアが楽しそうだから、かな」
 自分を誘う時も、応じた時もミリアが楽しそうにするから。反対に断ると、すごく残念そうにするから。そう思い至った。
「レオ~ン!!」
 感激するミリア。レオンとしてはこれは彼女に対する甘やかしなのだと感じられたが、ミリアにしてみれば彼の言葉がロマンチックな愛の言葉のようなものだった。
「私も、レオンといるのが大好きよ♡」
 語尾とお揃いに目をハートにしてミリアはレオンに擦り寄る。彼はそこで墓穴を掘ったのに気づいて、己の発言に頭を抱えた。あしらうこともできず、顔をしかめる。結局のところレオンはミリアに甘いのだ。ディアンは心中を察してやれやれと息を吐く。
 あかりは微笑ましげに見ている。沙羅は無関心で、そして今度はニコラがミリアに呆れていた。
 そこに待ち構えていたスペシャルブレンドやコーヒー、ケーキが届く。ミリアの興味はそちらに向き、みんなの話題もどんどん移り変わっていった。こうして生まれた国も文化も違うみんなで集まれるのは尊いことである。それぞれ心に秘めた思いも秘められない思いも抱えながら、カップ一杯分かそれ以上の時間を、五人と七匹は賑やかに過ごしたのだった。

あとがき
こちらはサロピク5にて展示していた、レオミリ布教サイトに載せるための二次創作物でした。
レオミリを知らない方にも読んでもらえるかもという希望をこめて、私はレオミリのここが好き!という気持ちをこめました。
その過程で私は一体レオミリの何が好き……?何を知っている……?モードになったけれど、無事切り抜けて完成させられてよかったです。
レオンについてはいつか解釈違いになる可能性もあるから解釈深まったら描き直したいです、良い話(自画自賛)なので💝
文章の取って付けた感がすごいけど良い話なので★★★★☆

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